遺言がない場合の「相続手続」(協議・調停・審判) | 葛飾(金町・水元・新小岩)で相続、遺産分割を弁護士に相談

遺言がない場合の「相続手続」(協議・調停・審判)

「遺言書がないときは、どのように相続手続をすればよいのか?」
「弁護士に遺産分割を任せたとき、弁護士費用はどれくらいかかるのか?」
「弁護士に頼むとしたらどのタイミングで依頼をすればいいのか?」

といったご相談をお受けするケースがよくあります。

相続問題は多くの方が直面する一方、手続進め方や費用は分からず、不安に感じる方も多いと思います。

今回は遺言書がない場合に遺産分割をどのように進めるか、そして、弁護士に手続を依頼した場合にどのような費用がかかるかを弁護士が解説します。
 

遺産分割とは

遺産分割とは、お亡くなりになった方(被相続人)の財産を残された方(相続人)で分ける手続をいいます。
遺言書がある場合は、遺言書に従って分ければ良いのですが、遺言書がない場合は、相続人同士で、①どのような財産を遺産として取り扱うか(遺産の範囲の確定)、その財産をいくらと評価するか(遺産の評価の確定)、生前に被相続人にお金をあげていたり貰っていたりするのであれば調整する必要があるか(特別受益寄与分の考慮)、具体的にどのように分け合うするか(遺産分割方法の確定)といったことを決めなければなりません。
そして、これらの決め事について、話し合い(遺産分割協議)で進めるのか、家庭裁判所を通じた話し合い(遺産分割調停)で進めるのか、調停が決裂した場合に裁判所に判断してもらう(遺産分割の審判)のか、手続選択をしていく必要があります(遺産分割で揉めたときの解決方法)。
まずはこのあたりのルールをしっかりと理解することが肝心となります。
 

遺言書がない場合の遺産分割の流れと弁護士依頼のタイミング

まずは本当に遺言書がないか確認する(遺言調査)

遺産分割は、原則として、有効な遺言書がある場合は、遺言書の効力が優先します。
そのため、まずは遺言書が本当にないのか、チェックをすることが大切です。
具体的には、お近くの公証役場を以下のサイトから探し、お亡くなりになった方が遺言書を公証役場で作っていないか確認をすると良いでしょう。
お亡くなりになった方との関係を示す資料は必要となりますが、公正証書遺言が作られているかどうかは、公証役場でデータベース化されているので、調べてもらうことができます。
 
「日本公証人連合会 公証役場一覧」https://www.koshonin.gr.jp/list
 
公証役場で遺言書を作成していない場合は、自筆の遺言がないかを探すことになります。
大切な物なので、仏壇にしまう等している方も過去にはいらっしゃいました。
自筆の遺言書が見つかった場合は、家庭裁判所で検認手続を行う必要があります。
関連記事 遺言が見つかったときに行うべきこと(検認・遺言執行)
 
遺言書の調査や検認から弁護士に依頼される方も少なくありません。
もっとも、これらの調査は、どなたかと交渉して行うものではなく自分ひとりでも申立等の手続は完結できるので、この段階まではご自身で手続を行う方も多いです。
 

話し合いをする(遺産分割協議)

遺言書がないことが確定した場合は、多くの場合は話し合いの場を持つことが多いです。
もっとも、遺産を隠されたり、不動産の価格で揉めたり、生前面倒を見ていたこと等を主張され、まとまらないことも多くあります。
ここで暗礁に乗り上げてしまい、多くの時間が経過してしまう方も少なくありません。
当事務所でご依頼が最も多いタイミングはこのタイミングとなります。
※随分前から仲違いをしており、そもそも話し合っても無駄なので、最初から弁護士を入れたいという方もいらっしゃいます。
※異母兄弟等で直接会ったこともなく、いきなり遺産分割の話をするのは気まずいという方は、最初の話し合いの前の段階からご依頼いただくケースが多いです。
 
この話し合いが決裂した場合は、家庭裁判所にフィールドを変えて、話し合いを継続することとなります(遺産分割調停)。
調停に移行するタイミングで弁護士を依頼される方も多いです。
このタイミングでご依頼される方は、遺産分割の相手方から調停を起こされてしまい、自分では対応が難しいのでご依頼をなさるというパターンが多いです。
 

遺産分割協議書(調停の場合は調停調書)を作成する

話し合いで遺産の範囲、評価、分割方法等が決まったら、決まった事項を書面にします。
この書面は預貯金の解約のほか、税務申告や不動産登記等にも使用する非常に大切な書類となります。
適切な記載をしなければ、例えば不動産登記ができない場合もございます。
ここで記載すべき事項は個々の事情に応じて変わるものですが、あくまでも一例ということで書式を掲載しておきます。
※この遺産分割協議書で登記、相続税手続が円滑に進むことをお約束するものではございませんのでご注意ください。

遺産分割協議書
 
被相続人 葛飾花子
生年月日 昭和●●年●●月●●日
死  亡  日 令和●年●●月●●日
本    籍 東京都葛飾区●●●●
最後の住所地 東京都葛飾区●●●●上記の者の遺産につき、共同相続人である夫葛飾太郎(以下「甲」という。)、長男葛飾一郎(以下「乙」という。)、二男葛飾二郎(以下「丙」という。)の3名は、本日、遺産分割協議を行い次のとおり合意した。
 
1 甲、乙及び丙は、被相続人の相続人が甲、乙、丙の3名であることを確認する。
2 甲、乙及び丙は、後記遺産目録(以下「目録」という。)記載の財産が被相続人の遺産であることを確認する。
3 甲は、目録記載のすべての財産を取得する。
4 後日、目録記載以外の遺産が発見されたときは、別途協議する。
5 甲、乙及び丙は、被相続人の遺産分割協議に関し、本分割協議書に定めるもののほか、何らの債権債務がないことを相互に確認する。
 
以上のとおり分割協議が成立したので、これを証するため、この証書を3通作成し、甲、乙及び丙において署名押印のうえ、各自その1通を保管する。
 

話し合いで一通り誰がどのような遺産を取得するか決まったものの、法的な書面は作成できないという方も多くいらっしゃいます。
そのため、遺産分割協議書の作成のみでご依頼をなさる方も多くいらっしゃいます。
遺産分割調停内でまとまった場合は、家庭裁判所にて、調停調書という書類が作られることとなります。
 

遺産分割協議書に基づき分配する

遺産分割協議書の作成が遺産分割のヤマであることは間違いありません。
しかし、作って終わりではなく、作成した遺産分割協議書に基づいて遺産を分配する必要があります。
各金融機関に指定の書類で解約手続等を行ったり、不動産登記を行ったり、行うべき作業は思ったよりも多く大変です。
相続人同士が、仲が良いパターンであれば協力しあって分配できますが、争った相手方だと分配自体も円滑に進まない場合も少なくありません。
遺産分割協議に引き続き、分配まで弁護士に依頼をなさる方も多くいらっしゃいます。
弁護士に依頼する場合は、解約等に必要な書類を相手方から集めて解約し、相続分に従って分配するところまで弁護士が行うこととなります。
 

遺産分割の弁護士費用

弁護士費用は大きく、法律相談料、着手金、報酬金、実費等に分かれます。
上記各項目について、詳細はこちらをご覧ください。
当事務所では、ご依頼から3営業日以内にお支払いいただくこととなり、経済的なご事情にもよりますが月額5万5000円からの分割払いを承ることもございます。
当事務所では実費一覧表に記載のない実費等は一切いただいておりません。
当事務所における遺産分割の詳細な弁護士費用はこちらをご覧ください。
 

★よくあるご質問として、遺産分割の相手方に弁護士費用を請求できないか、というご質問がありますが、弁護士費用を負担させることはできません。
調停ではまとまらずに審判で決まった場合は、(弁護士費用以外の)調停申し立て費用の一部を請求できる場合はあります。

 

おわりに

遺産分割は高い専門性を必要とする分野です。
それと同時に、相続人の方々の感情のもつれから、協議が難航し、長期化しやすい分野といえます。
当事務所では、税理士・会計士向けのセミナーや書籍の執筆活動等を通じて専門性を高めつつ、実務においても困難な相続案件をこれまで複数取り組んでまいりました。
お力になれる可能性がありますので、お悩みの方はまずはお気軽にご連絡をいただければと思います。
 

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