「終活 ━整理のための終活と法的終活━」
その他
高齢になってきたが、自分が亡くなったあとの相続を考える時期にきた。
迷惑をかけることなく事前にできることを済ませておきたい。
保有資産に複数の不動産があるので、相続人同士でもめないようにしておきたい。
このような思いから、いわゆる『終活』を考える方は少なくありません。
いわゆる『終活』とはなにか
法的に意味のある終活として、具体的にどのような活動があるのかについて、解説します。
１ 終活とは
終活とは、人の『終わりのための活動』の略称といわれています。
この終活も多義的なので、ここでは、
- ①整理のための終活
- ②法的終活
に分けて説明いたします。
２ 整理のための終活とは
整理のための終活とは、気持ちや保有資産等の整理のために行う、人の終わりのための活動をまとめる作業、とここでは定義したいと思います。
人には、亡くなるまでにやっておきたい活動や、会っておきたい人がいることが多いと思います。
ご病気などをきっかけに、いままであまり考えることのなかったこのような点に向き合う方も少なくありません。
自分が亡くなるまでにやっておきたいことを整理するということは、終活の入口という意味でも、残りの限られた期間を有意義に過ごすという意味においても非常に良いことかと思われます。
次のステップとしては、いまある保有資産はどんなものがあり、やりたいと思う活動にかかる費用や亡くなるまでにかかる生活費などはどれくらいかを整理することがあり得えます。
財産の整理のステップです。
そして、その財産を、いま処分したいのか、亡くなった後に遺したいのかを考えることがあり得ます。
財産処分の検討のステップです。
そのほかに、たとえば、携帯電話やパソコンはどうするか、ペットや各種契約はどうするかといった、諸事務の整理も必要となります。
このような各種整理をサポートしてくれるのが、いわゆるエンディングノートとなります。
エンディングノートそれ自体には法的効力はありませんが、整理としての終活を行ううえでは非常に有用なツールといえます。
３ 法的終活とは
法的終活とは、法的に意味のある人の終わりのための活動です。
前述のとおり、エンディングノートそれ自体には法的効果はないため、気持ちを法的に実現するためには、こちらの法的終活が必要となります。
法的終活の具体例としては、次のようなものがあります。
保有資産を自分の希望する方に届けたい
→遺言(自筆証書、公正証書)、遺言執行
自分が亡くなったあとの知らせ、葬儀、ペットのその後の管理や各種契約解約等の諸事務を取り決めておきたい
→死後事務委任契約
年相応に判断能力が低下してきたので財産管理を任せて安心したい
→財産管理契約
まだ判断能力は低下していないものの、将来的に低下したとき、まったく知らない裁判所が選んだ方に担当されなくない、あらかじめ自分が希望した方に財産管理をお願いしておきたい
→任意後見契約
４ 法的終活の選択方法
このように、ニーズに応じて、法的にサポートを受けることができる制度が民法等には規定されており、これらを活用し、法的終活を行なっていきます。
もっとも、これらをすべて実施する必要はなく、遺言と遺言執行のみを設定される方が大半です。
お子様や配偶者様などがいらっしゃらない方や、いらっしゃるものの負担をかけたくないとお考えの方は死後事務委任契約を締結されます。
不動産賃貸業をなさっている方で、ご自身での管理が困難になり、ご親族などにも任せる方がいらっしゃらない場合などに、財産管理契約を検討されるケースがあります。
この場合は、万が一、認知能力が低下していった場合に備え、併せて任意後見契約も締結する場合も少なくありません。
５ 法的終活の弁護士費用
以上の弁護士費用については以下のURLをご参照ください。
https://souzoku-katsushika.com/cost/
６ おわりに
一言で終活といっても多義的です。
当法人代表の角は、東京弁護士会の終活部会に所属しており、葛飾区でも東京弁護士会主催の終活講座の講師も務めております。
終活問題については、事務所として取り組んでおりますので、まずはお気軽にご相談ください。
お電話でのお問い合わせ
平日9時～18時で電話対応
☎︎ 03-5875-6124
この記事の著者
代表弁護士角 学 (東京弁護士会所属)
千葉県出身です。葛飾区金町のお隣の松戸市に住んでいました。
中学、高校は、都内の巣鴨学園で遠泳・古式泳法・登山・剣道等様々な分野に取り組みました。
司法試験合格後、しっかりとした弁護士の基礎を身につけたいと思い、港区の大手法律経済事務所に就職し、元裁判官や元検察官、現役の弁護士職務経験裁判官、検察官をはじめとする先輩弁護士の方々に学びました。
その後、弁護士として、トラブルに困っている方々のお力になりたいと考え、地元にほど近い葛飾区金町で独立をいたしました。
