死後事務委任契約書と遺言書の関係(死後事務委任契約書のイメージ) |葛飾(金町・水元・新小岩)で相続、遺産分割を弁護士に相談

死後事務委任契約書と遺言書の関係(死後事務委任契約書のイメージ)

「死後事務委任という言葉はよく聞くのですが、具体的に、どのような条項の契約を交わすのでしょうか?」
「遺言とセットで作れないのでしょうか。」
 
このようなご相談をお受けするケースがございます。
 
死後事務委任と一言で言っても、実施できる事項は多岐に亘ります。
特に、遺言書とセットで作成を検討されている方は少なくなく、遺言書の中に死後事務委任の条項を入れ込むケースも多いです。
 
ここでは、死後事務委任契約書の具体的な作成の流れと死後事務委任契約書のイメージをお示します。
 

1.死後事務委任契約とは

死後事務委任契約とは、ご本人が第三者に対して、亡くなった後の諸手続・葬儀・納骨・埋葬に関する事務等に関する代理権を付与して、死後事務を委任する契約をいいます。
死後事務委任契約に関する基本的な解説については、以下のコラムをご参照ください。
 
死後事務委任の概要・手続と当法人の弁護士費用

「死後事務委任の概要・手続と当法人の弁護士費用」


 

2.死後事務委任契約書作成の流れ

STEP1 死後事務委任契約書に盛り込む事項を決める

お亡くなりになった後にお願いしたい事項をピックアップし、死後事務をお願いする方と協議をしながら、どのような事項を依頼するか決めます。
お願いできる事項は多岐に亘りますが、典型的な事項としては、

① 行政官庁等への諸届け事務
② 献体、葬儀、火葬、納骨、永代供養に関する事務
③ 生活用品・家財道具等の整理・処分に関する事務
④ 医療費、入院費等の清算手続きに関する事務
⑤ 老人ホーム等の施設利用料等の支払い及び入居一時金その他残 債権の受領に関する事務
⑥ 公共サービス等の名義変更・解約・清算手続きに関する事務
⑦ ペットの施設入所手続き
⑧ 以上の各事務に関する費用の支払い

などが挙げられます。
 

STEP2 文案を公証役場に送り、公正証書作成の準備をする(死後事務委任契約書とするか遺言公正証書の中に記載するかの検討)

死後事務委任契約は必ずしも公正証書の形式を取る必要はございませんが、お亡くなりになった後に、他の相続人から、「本当に死後の事務をしっかりとした判断能力のもと託したのか」と疑義を呈される可能性があるため、そのような不安を払しょくする観点から、公正証書で作成することをお勧めします。
公正証書で作成する場合は、公証人に事前に文案を示し、内容や作成日を事前に調整することが一般的です。
公正証書で作成する場合において、遺言書の作成も併せて予定しているケースでは、遺言書内の条項に死後の事務を遺言執行者に委ねるケースも少なくありません。
遺言は残さずに死後事務委任契約書のみを作成する場合は別ですが、遺言書とセットで作成することも併せて検討すべきといえます。
 

STEP3 必要な資料を持参し、作成する

通常は、①印鑑証明書(発行後3か月以内)と実印、②自動車運転免許証と認印、 ③住民基本台帳カード(顔写真付き)と認印、④個人番号カード(顔写真付き)と認印のいずれかの本人確認書類を持参する必要があります。
そのうえで、公証役場にて作成することとなります。
前記のとおり、死後事務委任契約のみならず、併せて遺言書を作成するケースも多いです。
その場合は、別途必要な資料は追加となります。
 

STEP4 お亡くなりになった後に死後事務を実施する

死後事務委任契約書作成後は、作成者がお亡くなりになったことを、死後事務を実施する方に伝達して頂くキーパーソンを指定します。
そちらの方から、お亡くなりになった旨の連絡を受け次第、死後の事務を実施する流れとなります。
 

3.死後事務委任契約書のイメージ

死後事務委任契約の内容は、ご要望により様々ではありますが、遺言書の中には入れ込まず、個別の死後事務委任契約書を作成することを前提とした場合、主として下記ような骨子で作成することが多いです。
 

第1条 契約(委任)の趣旨
第2条 委任事務の範囲
第3条 死後事務処理に要する費用の負担
第4条 死後事務委任報酬
第5条 契約の変更
第6条 契約の解除
第7条 委任者死亡による契約の効力の存続
第8条 契約の終了
第9条 報告義務

 
これに加えて各論として、例えば、①関係各所への連絡事務(死亡連絡を含む)、②通夜、告別式、火葬、納骨、永代供養に関する事務、③三回忌法要に関する事務、④ペットの引渡し等に関する事務、⑤医療費、入院費等その他施設利用料等の精算事務、⑥電気、ガス、水道等の公共サービス料金の精算及び解約、⑦公租公課の支払事務その他一切の債権債務の清算事務、⑧家財、生活用品の引渡しまたは処分に関する事務、⑨行政官庁への各種届出及び取下事務、⑩火葬許可証その他各種書類の受領事務、⑪相続人不存在の場合の相続財産管理人選任申立て、⑫以上の各事務に関する費用支払事務などの死後事務委任の細目を記載していくことになります。
個別の条項の書きぶりは、ご依頼の死後事務によりますので、都度、オーダーメイドで作成することになります。
 

4.死後の事務を弁護士に依頼するメリット

死後の事務は依頼をすれば終わりではなく、亡くなった後に実際に依頼した事項を実行してもらって初めて意味があります。
弁護士は、取り扱える法律事務に基本的に制限がありませんので、あらゆる士業の中でも最も実現できる範囲が広く、一般的に依頼事項が適切に実現する可能性は高いといえます。
また、死後事務を委任される方は、多くのケースでは、ご自身の財産をどなたかに託すことも検討されている方が多く、併せて遺言書の作成・遺言執行者の依頼も行うケースは少なくありません。
その点においても、法律の専門家である弁護士に依頼するメリットは大きいといえます。
 

5.おわりに

死後事務の委任と遺言は、セットでご依頼をいただく場合が大半です。
そのため、死後事務委任契約書を遺言書と別途で作成するのか、遺言の中に死後事務の処理に関する条項を入れ込むのか検討することになります。
どちらがより適切なのかという選択を含めて、まずはお気軽にご相談頂ければと思います。
 

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この記事の著者

代表弁護士角 学 (東京弁護士会所属)

千葉県出身です。葛飾区金町のお隣の松戸市に住んでいました。
中学、高校は、都内の巣鴨学園で遠泳・古式泳法・登山・剣道等様々な分野に取り組みました。
司法試験合格後、しっかりとした弁護士の基礎を身につけたいと思い、港区の大手法律経済事務所に就職し、元裁判官や元検察官、現役の弁護士職務経験裁判官、検察官をはじめとする先輩弁護士の方々に学びました。その後、弁護士として、トラブルに困っている方々のお力になりたいと考え、地元にほど近い葛飾区金町で独立をいたしました。

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