「遺産分割協議・調停で必要になる書類を解説。」
遺産分割「遺産分割の話し合い(協議)をすることを考えているが、どのような書類が必要なのか」
「相続について弁護士に相談するにあたって、どのような資料を持参すれば良いのか」
本コラムをご覧になっている方は、このようなお悩みをお持ちではありませんか。
本コラムでは、遺産分割協議・調停で必要になる書類について解説いたします。
目次
1 相続・遺産分割問題で確認・確定(合意)しなければいけない事柄
相続・遺産分割問題では、一般に、次の事柄について確認・確定(合意)しなければいけません。
- ① 被相続人が遺言書を残しているか(遺言書の有無・内容)
- ② 誰が相続人として相続・遺産分割問題に参加するか(相続人の範囲)
- ③ どのような遺産が遺産分割の対象になるか(遺産の範囲)
- ④ 遺産分割の対象になる不動産などの遺産の評価金額はいくらか(遺産の評価)
- ⑤ それぞれの相続人の具体的な取得金額はいくらとすべきか(特別受益・寄与分)
- ⑥ 遺産分割の対象になる遺産を相続人の誰にどのように分けるか(遺産の分割方法)
そのため、おおざっぱに言えば、この①から⑥までに関係する資料を集めることになります。
次の項で、あらためて解説いたします。
★ただし、この資料には弁護士でなければ取得が難しいものや取得出来ないもの、初回の相談時には必ずしも必要ではなく協議・調停を進める中で集めれば良いものも多くありますので、「資料が集まらないから弁護士にまだ相談できない」と諦めることなく、まずはお気軽にご相談いただければと思います。
2 ①から⑥までの事柄ごとに、主に集める書類・資料のあれこれ
前の項で挙げた、①から⑥までの事柄ごとに、主に集める書類・資料をまとめてみると、次の表のようになります。
確認・確定すべき事柄
①遺言書の有無・内容
自筆証書遺言、公正証書遺言、自筆証書遺言の検認調書など
②相続人の範囲
被相続人の出生時から死亡時までの戸籍、相続人全員の戸籍、相続人全員の住民票など
③遺産の範囲
- 不動産
- 登記事項証明書(登記簿)、固定資産評価証明書、名寄帳など
- 預貯金
- 預貯金通帳、残高証明書、取引履歴など
- 生命保険
- 保険証券、解約返戻金計算書など
- 自動車
- 自動車検査証、査定書など
- 株式、有価証券
- 残高証明書、議決権行使書、確定申告書、決算書など
- 債務、負債
- 請求書、借用書、督促状、葬儀費用明細、固定資産税納税通知書など
※債務、負債は厳密には原則として遺産ではありませんが、資料としては集めておいた方が良いです。 - その他
- 相続税申告書、相続人が作成したメモなど
④遺産の評価
同上。
不動産については、時価額の分かる査定書。
自動車については、同種の車両価格が分かる査定書やホームページやレッドブック
⑤特別受益・寄与分
ほかの相続人への贈与が分かる書類、被相続人の生活歴が分かる資料など
⑥遺産の分割方法
相続人が遺産の取得希望を表明した手紙など
3 遺産分割調停の申立てにあたって必要となる書類等
事案に応じて提出書類は変わりますが、以下の⑴~⑺は必ず提出します。
不動産がある場合は⑻、⑼は必ず提出します。
⑽は、事案により提出するものは変わっていきます。
例えば、立場や状況等により、不動産の査定書ではなく敢えて固定資産税評価証明を提出する場合等もあります。
- ⑴ 遺産分割調停申立書(当事者目録、遺産目録、相続関係図、申立の実情等)
- ⑵ 収入印紙(被相続人1名につき1200円)
- ⑶ 郵便切手(申し立てる裁判所によって異なるため、裁判所ごとに確認)
- ⑷ 被相続人の出生から死亡までの連続した除籍謄本,改製原戸籍謄本等戸籍謄本類全て(原本)
- ⑸ 相続人全員の現在の戸籍謄本(3か月以内の原本)※法定相続情報一覧図で代替可能
- ⑹ 被相続人の住民票除票(廃棄済の場合は戸籍の附票)※法定相続情報一覧図で代替可能
- ⑺ 相続人全員の住民票(3か月以内の原本)
- ⑻ 不動産登記簿謄本又は登記事項証明書(3か月以内の原本)
- ⑼ 固定資産税評価証明書(3か月以内の原本)または名寄帳
- ⑽ 上記以外に前記2で収集した資料のうち、遺産分割において必要と考えられる資料
4 遺産相続に関する当事務所の弁護士費用
遺産相続に関する当事務所の弁護士費用は、以下のリンクからご確認いただけます。
https://kl-o.jp/inheritance/#souzokucost
5 まとめ
本コラムでは、遺産分割協議・調停で必要になる書類について詳しく解説しました。
1の★で述べたように、初回相談までにこれらの書類を集めきる必要はありません。
調停を申し立てる場合についても、収集したものを闇雲に提出すべきではなく、必要なタイミングで必要な書面を提出していくこととなります。
このあたりは法的な判断を伴う場合が多く、難しい判断を迫られる場合もあります。
遺産相続について何か少しでもお悩みの際は、当事務所でお力になれる可能性がありますので、まずはお気軽に弁護士までご連絡いただければと思います。
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