プルデンシャル信託株式会社 終活サポート 死後事務委任契約に関するお知らせとお手続きの案内(生命保険信託の活用)
その他当事務所は、プルデンシャル信託株式会社様より、終活サポート~マイ・エンディングケア~における死後事務受任者を拝命しております。
https://www.pru-trust.co.jp/trust/support/minamikanto.html
ここでは、
「そもそも死後事務委任契約とは何か」
「プルデンシャル信託株式会社様の同制度を利用した(=生命保険信託を利用した)死後事務委任契約の概要と当事務所を利用する場合の手続はどのような流れとなるのか」
「当事務所に死後事務委任契約の作成を依頼した場合の費用はいくらか」
などについて説明をいたします。
目次
1 死後事務委任とは?
みなさまは死後事務委任という言葉を聞いたことがありますでしょうか。
死後事務委任とは、ご本人が第三者に対して、亡くなった後の諸手続・葬儀・納骨・埋葬に関する事務等に関する代理権を付与して、死後事務を委任する契約をいいます。
具体的には、お亡くなりになった方の医療費支払いに関する事務、家賃・地代・管理費等の支払いと敷金・保証金等の支払いに関する事務、老人ホーム等の施設利用料の支払いと入居一時金等の受領に関する事務、通夜・告別式・火葬・納骨・埋葬に関する事務、永代供養に関する事務、相続財産管理人の選任申立手続に関する事務 、賃借建物明渡しに関する事務、行政官庁等への諸届け事務などが挙げられます。
委任は、民法653条1号で「受任者の死亡」(=依頼をした方の死亡)で終了することが原則とされておりますが、最高裁判所の判例(最高裁平成4年(オ)第67号同4年9月22日第三小法廷判決)が、(死後事務について)個別の合意をしている場合については、653条1号の規定にかかわらず、委任の効力は否定されない旨判示しておりますので、(死亡によっても委任契約を終了しない旨を合意していれば)死後事務委任は問題なく可能とされております。
2 なぜ自分の死後の事務をあらかじめ委任しておく必要があるのか
当然ながら、亡くなった後、上記のような各種事務をご本人が行うことはできません。
特に身寄りがない方は、これらの事務を担当する方をあらかじめ決めておく必要性は高いです。
身寄りがある方も親族に自分の死後に迷惑を掛けたくないという方は、近年少なくありません。
身寄りもあり、頼れる親族がいたとしても、親族であるからこそ頼みたくない死後の事務(例えば、親族に秘密にしている借金の支払や親族に秘密で賃貸していた物件の解約など)がある場合も少なくありません。
そのような希望を実現する手続が死後事務委任です。
3 死後事務委任の具体的手続と流れ
⑴ 電話での概要のヒアリング
死後事務委任を行うためには、事前に、死後事務を執行する者と委任をしたいと考えるご本人とが契約を締結しておく必要があります。
この契約が死後事務委任契約となります。
死後事務委任契約の締結方法は、いくつかございますが、当事務所では、死後事務を委任するご本人の意思を確実に実現する観点から、公正証書の形式で死後事務委任契約を締結することをお勧めしております。
多くの方は、死後事務の委任と同時に、ご自身の財産をいくら誰に届けるかを決める遺言書も作成することが多いです。
まずは、当事務所まで、一度お電話を頂けましたら、弁護士が概要をお伺いし、面談相談の日程調整を行います。
⑵ 正式なヒアリング(面談相談)
公正証書によって契約を締結するためには、まずは、通常は死後事務を執行する者(当事務所の場合は、弁護士法人葛飾総合法律事務所)が死後事務委任契約書の草案を作成します。
作成に当たっては、まずはご本人又はご家族からお電話にて概要をお伺いし、必ずご本人と直接面談を実施しております。
死後事務委任と一言で言っても具体的に何ができるか分からない方も多く、そのバリエーションをお伝えしながら、何を頼みたいか確認するためには、直接の面談が重要と考えております。
面談の上で、正式にご依頼を希望なさった場合は、当法人と死後事務委任契約書作成のご依頼をいただく流れとなります(作成費用等を明示した委任契約書を交わします。)。
通常は、1時間程度です。
⑶ 死後事務委任契約書の草案作成・ご確認
ご意向を法的に有効となるよう当法人にて草案を作成します。
ご意向に沿った内容になっているか確認いただくためにも、必ず、ご本人にチェックをして頂いております。
草案の作成は、ご依頼から2~3週間程度お時間を頂戴することが多いです。
⑷ 公証役場との折衝
文案が完成しましたら、公正証書を作成する場である公証役場に連絡をし、文案の更なる修正や日程調整等を行います。
通常は1週間程度で折衝は終わり、作成日は、折衝開始から1か月以内には決まることが多いです。
⑸ 公証役場で契約締結
ご本人と当法人が実印又は認印(本人確認書類により相違)を持参の上、公証役場に出向き(出張も可能です。)、公正証書の内容を確認し、その内容で問題なければ署名押印して完成となります。
所要時間は概ね30分程度です。
⑹ 死後事務の執行
作成後は、半年に1回、ご本人あるいはご本人と連絡の取れる方に現状の確認の連絡をさせていただき、万が一、お亡くなりになった際は、直ちに死後事務の執行に着手いたします。
執行に要する期間は、作成した死後事務委任契約書にもよりますが、通常は、3~4か月程度です。
4 生命保険信託とは?
生命保険信託とは、お亡くなりになるそのときに備えて、保険金の届け方を信託会社とあらかじめ決めておくことができる仕組みです。
法的には、商事信託という類型のひとつとなります。
通常、生命保険契約を結ぶと、お亡くなりになった際、事前に指定していた生命保険の受取人に保険金が支払われます。
生命保険信託の場合は、お亡くなりになった際、事前に指定しておいた信託会社(プルデンシャル信託株式会社等)に死亡保険金が支払われます。
そして、信託会社は、あらかじめ、お亡くなりになった契約者との間で受け取ったお金を、「誰に」、「何を」、「いかなるタイミング」で、どのように渡すのかを決めておき(=生命保険信託契約を結んでおき)その取決めに従って、信託会社が保険金をお届けします。
以上の仕組みを生命保険信託といいます。
5 生命保険信託のメリット
生命保険信託の仕組みには、終活で多く用いられる「遺言」にはない特長があります。
すなわち、遺言では、「誰に」、「何を」届けるかは決めることができますが、「いかなるタイミング」で届けるか、さらには「届ける量をいかに変動させつつ届けるか」を決めることはできません。
具体例でいえば、遺言で「長男に全ての財産を相続させる。」と決めることはできますが、「長男に15歳までは月5万円、18歳までは月10万円、20歳までは月15万円ずつ交付する。
残余財産は弟に一括で交付する。」などと決めることはできません。
また、類似の制度でいわゆる家族信託(民事信託)がありますが、同制度に基づく場合は受託者(財産を届ける役割の者)の負担が大きく、適切に履行されるかどうかという点も問題が生じうるケースがあります。
そもそも、受託者として稼働していただけるような頼れる親族がいらっしゃらないケースやそのような負担を親族等に負わせたくはないとお考えになる方もいらっしゃるかもしれません。
生命保険信託(商事信託)は、監督官庁の監督下におかれた法人が受託者として関与することで、より確実に財産を届けられるという点に一つの特長があるといえます。
また、親族等を受託者として巻き込まない点で資産管理の負担を軽減できます。
なお、プルデンシャル信託株式会社における生命保険信託の説明は次のページが詳しいのでご参照ください。
https://www.pru-trust.co.jp/trust/index.html
6 プルデンシャル信託株式会社の生命保険信託を利用した死後事務委任契約の概要と当事務所を利用する場合の手続
プルデンシャル信託株式会社では、保険契約者がお亡くなりになった後に、生命保険会社からプルデンシャル信託株式会社に支払われた生命保険金(=信託財産といいます。)を亡くなったあとに発生する「死後事務委任の弁護士等費用にも充てることができる」仕組みを作っております。
これがプルデンシャル信託株式会社の生命保険信託を利用した死後事務委任契約となります。
【ご利用の手順】
⑴ ご相談いただく
この制度を利用するためには、まずは、当事務所をはじめとするプルデンシャル信託株式会社認定死後事務受任者にご相談いただきます。
⑵ お電話でのお問い合わせ
当事務所をご利用の場合は、まずはお電話をいただき、代表弁護士の角を指名の上、生命保険信託を利用した死後事務委任契約書を作りたい旨をおっしゃってください。
生命保険会社ライフプランナーの方からのお電話でも勿論構いませんのでお気軽にお問い合わせください。
平日9時~18時で電話対応いたします。
☎︎ 03-5875-6124
⑶ 日程調整のうえご来所
お電話で概要をお伺いした上で、日程の調整をさせていただき、一度、ご来所いただきます。
対面でより詳しくお話をお伺いさせていただきます。
⑷ 詳細なご案内
対面で相談を実施した上で、「死後事務委任を任せたい」とお決めになりましたら、その旨を担当弁護士までお伝えいただきます。
その段階で、必要書類やご準備いただきたい事項等をご案内させていただきます。
生命保険信託を利用した死後事務委任契約の費用支払いのためには、利用に関する契約をプルデンシャル信託株式会社と結んでおく必要がありますので、これらに関する説明も対面で行います。
※ご利用を検討のお客様は、まずはお気軽にお電話ください。
7 死後事務委任の弁護士費用
死後事務の内容は千差万別です。
一言で死後事務委任における債務弁済といっても様々な規模、態様があり、全て一律に基準を決めることは困難な性質がございます。
あくまでも一つの目安としての基準であることを前提に、当法人の死後事務委任の目安となる費用をお示しします。
実際は、死後事務委任契約書作成の際に、詳細に費用も取り決めさせていただきます。
⑴ 死後事務委任契約書の作成(公正証書)
⑵ 死後事務の執行費用
- ア 医療費支払いに関する事務
- 10万円(税込11万円)
- イ 家賃・地代・管理費等の支払いと敷金・保証金等の支払いに関する事務
- 10万円(税込11万円)
- ウ 老人ホーム等の施設利用料の支払と入居一時金等の受領に関する事務
- 10万円(税込11万円)
- エ 通夜・告別式・火葬・納骨・埋葬に関する事務
- 30万円(税込33万円)
- オ 永代供養に関する事務
- 20万円(税込22万円)
- カ 相続財産管理人の選任申立手続に関する事務
- 30万円(税込33万円)
- キ 賃借建物明渡しに関する事務
- 10万円(税込11万円)
- ク 行政官庁等への諸届け事務(年金、健康保険の脱退など)
- 10万円(税込11万円)
- ケ 指定された方への死亡の通知
- 1人1万円
- コ 所有不動産(車)の売却・相続人への分配、預貯金・株式の名義変更解約、現金・精算金の分配
- これらは遺言書も併せて作成した際の財産の分配(遺言執行)の問題ともなりますので、以下の遺言執行に関する弁護士費用のページもご参照ください。
https://onl.tw/Spxd9fF
8 おわりに
死後事務委任は、「自分が行いたいこと」を実現するツールの一つに過ぎません。
皆様のご想像以上に、ご自身の死後にも弁護士を通じて色々と実施できることがございます。
まずは、何ができるのか、というお尋ねのみでも構いませんので、お気軽に弁護士までご連絡いただければと思います。
ご相談者様にとっての最善を一緒に考えるお手伝いをさせて頂ければと思います。